先週、恵比寿で19秋冬展示会を行いました。お越しいただいたバイヤーの皆様、まことに有難うございます。
今回は、大きな合同展示会と日程を合わせてみました。いつもは火曜から木曜の3日間
今回は水曜から金曜の3日間。
展示会に充てる曜日は地方から来るバイヤー様は火、水、木のいずれかがの定休日。
週一日の貴重な休みを この時期はほぼ毎週展示会に充てて 東京に出張している。
まぁそれも仕事と言うと思いますが、僕には本当に無理。本当に、無理。一日に1件だったらまぁ何とか・・・2件あったら無理。一日2件も見るの無理だ。受け止めきれない。皆さん、本当に素晴らしい。
金曜日って、展示会をしたことがない。東京では。
そもそも、バイヤーさんが東京にいなそうだから。でも、やってみたんだけど 思った通り金曜は暇だった。その分水曜に詰まった。お久しぶりのバイヤーさんも多く 素直に嬉しかった。海外のバイヤー様が来るかと思ったけど、お会いできなかった。
僕は出張に行くことも少ない。基本的に出不精だからだ。
インプットすることよりも、アウトプットしたがりだ。吸収することよりも、出したがりだ。基本的に偏屈なので「いいよ」と言われたことを素直に受け入れようと思わない。
「いいよ」と言われたら「そうなんだ、でも僕はまた違うけどね・・多分」と思ってしまう。
「そう思いたい」と思った頃はいつだったか。棘が欲しいと思ったのは遥か遠い昔のころだ。今41歳ですが 困ったことにその癖がいまだ付いたままだ。
どこかでまだ 「それ」を気に入っているから 未だにそのジャケットに袖を通してしまう。
随分と色あせ ほつれて、洗濯を繰り返し袖はつんつるてんだけど、いつまでも着ている。そうなれることで、武装している。誰かにならないことで自分でいることに執着している。
だけど、「そのころ」と「これから」の自分をイメージして 今が一番それが似合っていない。
展示会前、とてもバタバタだった。日付の変わり目を何度も越して、今が一体いつの昼で夜なのか わかっているだけで精一杯だった。
展示会3日間で、色々と思うところがあり これまでの「流れ」で物を作りすぎているのかもな と思えました。
勿論、絞り出したアイディアであって正真正銘であるけど 今がもし、展示会1回目なら あと数ミリの角度が違っていたなと思うのです。はっきり
だから、ほんの少しだけど「直したい!」と思って、オーダーの締め切りを先に延ばしてもらった。ほんの少しの修正を見ていただいてからでないと、判断してもらえない という全くの僕の我侭なんだけど・・・。
ギリギリまでバタバタとすることに 美しさを感じたことも 体がボロボロなことで頭をなでてもらおうとも思ったことはないけど、1日か2日 昨日とは違う自分の眼をもって今一度見直す。その繰り返し。
会期中に、バイヤー様は勿論 いくつかのブランドのデザイナーさんともお話しする機会があった。同じように展示会のため 東京に出てきていた。
とくに「これからの物つくりは・・!」みたいな会話はなくて、他愛もない 僕に至っては終始ふざけていて、寝不足であったりも手伝い 酒もすすみ、大人げなく楽しい時間でした。
だけど、「しっかりとしていかないとな」と思う時間でした。
自分でデザインし、サンプルを作り・・・だからこそ、奥底まで見られる。だけれども、「よし」を決めるのも自分一人で その目は常に初心でなくてはならない。
何年やってきたとか、今までこうだったとか 全く関係ない。
一年が終わったら、また新しく初心。
展示会後、ずっと伺いたかった場所へ行き お久しぶりに話ができました。
彼女もまた 自身のブランドを育てていて、会って話すと「その人であり」「そのブランドであるなぁ」と思う。
小さな□をパッチワークのようにつなぎ合わせてつくるそれが欲しくて、NOWHERE ELSE用のトレーとして 一つ買った。
思いもよらない癖のある突拍子もないアイディアではなく、形になってみてみると 理解しやすい
だけれども、そのシンプルなアイディアを 丁度よく魅力的にらしい形に出来るという事が、まったくもう素晴らしくて 独特であると思います。
わかりやすく かつ 独特でオリジナルで美しいお手本として。
自分が作るものも そんなふうでありたいなと思います。
仙台に戻り、まったくの新しい気持ちになれたような気がして 身の引き締まる日々です。